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「ちょっと変わった普通の子供」感覚統合失調症より。前半編(セラピー編)

2013.10.29 17:08|発達障害
発達障害の中でも感覚統合失調症は診断がつきにくく、「ちょっと変わった普通の子供」との境がとても微妙な分野です。でも、早めに気づいて適当なサポートを得ることで、家族の生活がぐっと楽になり、子供との関わり方も改善されます。
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今回は、感覚統合失調症の子供を持ち、アメリカでセラピーを経験したことのあるママさんに、セラピーで専門家に教えてもらったことや、感覚統合失調症について彼女がアメリカで出版されている本を読み、家で実践したことなどを体験記としてまとめてもらいました。


<生後まもなくの頃>

私の二人目の子供はよく泣く赤ちゃんでした。

生後すぐの健診の時から、毎回必ず診察台に寝かせた時点で顔を真っ赤にして大泣きをはじめ、診察がすべて終わってもしばらく泣き止みませんでした。かかりつけの小児科医には、「何だか私、この子を虐待しているみたいで申し訳なくなるわ。こんなに泣き叫ぶ赤ちゃんも珍しいわよね」としみじみ言われました。
ただ抱っこしていてもいきなり泣きだし、まったく理由が分からないままだったことが何度もありました。特に抱っこひもに入れていると、毎回のように突然予告なく大泣きが始まりました。おむつを替えていても、爪を切ろうとする時もお風呂に入れる時も、髪を切ろうとした時も、のけぞって大泣き。もしこれが初めての子供だったら、私は赤ちゃんのお世話の仕方や扱い方をまるで分かっていない母親なのだと、子育ての自信をすっかりなくしていたと思います。


<赤ちゃん時代>

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自分で動けるようになり、少し言葉も出るようになってから、ただ泣くということは減りました。代わりに、抱っこしようとすると逃げたり、不意にさわられると悲鳴をあげたりという反応をしていることに気づいてから、ああこの子は人にさわられることに敏感なのだな、と分かってきました。爪を切ろうとすると手を払いのけられ、髪を梳かそうとすると頭を振って抵抗します。抱っこ紐では毎回泣かれていたけれど、ベビーカーに入れると大人しかったのにも納得が行きました。


<1歳前後。歩くようになってから。>

歩けるようになると、さらに試練が待っていました。散歩に出ると、歩道にたくさん落ちていた葉っぱを踏むことができず、回り道。公園に連れて行っても、遊具の周りに敷き詰められている木屑の上を歩きたくないので、ベビーカーから降りようとしない。芝生や砂も苦手でさわれない。フローリングのアパートからカーペットの敷いてある家に引っ越した時には、自分の部屋なのに入れなくてしばらく大泣きしました。
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家の中でも、粘土は触りたくないので遊ばない。ベビーフードも手に付くと、怪我でもしたかのように大騒ぎ。着る洋服にもうるさく、てろてろしたシャツやゆったりしたパンツがお気に入り。靴下を履きたがらないので、寒い冬は中がもこもこしたブーツで防寒。氷点下でも、手袋を絶対にはめないし、帽子も被りたくない。
小さなことですが、他の子達には何でもないようなこと、言って聞かせれば解るようなことが、この子には我慢が出来ない、ということが幾つもありました。

傍目には、甘やかしているように映ったかも知れないと思います。「もっと強く言えば良いんだよ、無理にでも一度やらせてみたら」と言われたこともあります。
でも基本的には素直で明るく、聞き分けの良い子でした。
ただどうしても譲れないという一線があって、そこはどんなに説明しても、なだめてもすかしても無理だったのです。
埒があかないので無理矢理手袋をはめようとした時に、まるで刺のついた手錠をかけられたかのように泣き叫んだあの姿を見たら、もう諦めるしかありませんでした。


<1歳半前後。離乳食の際に>

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『私ひとりでは対処できないかも知れない』、と思ったのは1歳半の時。10ヶ月頃まで順調に進んでいた離乳食が、乳歯が4本ほど一度に生えてきた頃から、固形物を嫌がるようになり、それまで食べていたものを拒否し始め、ついにヨーグルトとアップルソースの他にはとろとろのベビーフードの瓶しか受け付けなくなってしまったのです。

食べ物が思うように食べられず、必要な栄養素を取れないかも知れないのでは、健康に影響が出てしまうと心配して、専門家に助けを求めることにしました。


<専門家を交えての取り組み>

当時住んでいたイリノイ州のEarly Intervention Programという制度では、3歳未満の子供を対象に、運動能力や言語能力、社会性などが月齢に見合ったレベルで発達しているか、遅れが出ている分野がないかを専門のセラピストが診断し、もし遅れが出ていた場合にはセラピーを受けることが出来るようになっています。
作業療法士Occupational Therapistと言語療法士、Speech Therapistを含む3人のセラピストが私たちの家に来て、1時間ほど子供の様子を観察し、あれこれ遊びをやらせてみてその反応を見てみた結果、やはり感覚統合の分野で半年ほどの発達の遅れが見られるという診断が出て、週一回作業療法士によるセラピーと、言語療法士による食事療法を勧められました。

作業療法士のセラピーでは、さわることと触られることに徐々に慣れて行くことを目標に、色々な形、素材の玩具を目につくところに出し、押したり踏んだりすると面白い反応をすることを覚えさせ、積極的にさわるように一緒にいて手を貸してあげます。力の入れ加減を学ぶことと、とにかく筋肉に刺激を与えるように、動かすのに力のいるような遊具が多かったように思います。それから、粘土や絵の具など汚れるものをいつも身近に置くようにして、汚れても良いんだよ、というメッセージを根気よく送り続けました。絵筆自体も、絵の具をつけずに乾いたままのものを使い、それで手の甲をなぞることを少しずつ繰り返すことで、触覚の耐性がつくのだと教えてもらいました。


<セラピーを続ける中、親としての想いとは。>

セラピーはそれぞれ週に一度、1時間のことでしたが、その間いつもよりストレスのかかる刺激を受けるので、終わった後は疲れ果ててぐっすり昼寝をしていました。私も、毎回1時間限界までチャレンジされ続ける子供を見ながら、頑張れ、と思う気持ちと、こんなに無理をさせて本当に良くなるのだろうか、と思う気持ちが交錯していました。それでも、セラピストが提案してくるアクティビティには良いアイデアが詰まっていて、とても参考になりました。
こうして2ヶ月ほどセラピーを続けていた間に、自分でも感覚統合失調症について本を読みはじめ、セラピーを離れたところでは私は親として何ができるのか、これからどういう生活をしていきたいのかについて考えました。そうして思ったのは、日常生活に支障がでない限りは、これを子供の個性だと捉えていた方が私の気持ちが楽になるし、お互いにストレスがたまらない。子供にとってどういうことが障害になっているのかを見極めて、できる範囲で子供の環境を過ごしやすく整えてやるのが私にとってまず一番だということでした。そして、子供にストレスをかけすぎない程度に、少しずつ外界の刺激に触れさせてやりながら、子供が自分で成長するのを待とうと思いました。


<日常生活で実践したこと。>

日常生活の中で子供が過ごしやすい環境を調えるヒントは、本からいくつももらいました。

● 聴覚が過敏な子供には、静かでモノがすっきり整理されているスペースを自分だけのスペースとして与えてやる。
● どうしてもうるさい場所にいなくてはいけないときは、ヘッドフォンをつけさせてやる。
● 視覚が過敏な子供にはなるべくテレビなどを見せない。
● 外出時にはサングラスを常備する。


多くは、少し考えればすんなり納得のいく、自分でも思いつきそうなことでした。触覚過敏の子には、シルクなどのサラサラした肌触りの良い素材が気持ちを落ち着かせる効果があるらしく、特に月齢の低い子には、そういう素材で作ったブランケットなどを使うと良いとありました。ボタンのついたシャツやジーンズを絶対に着たがらなかった私の子供には、無理にかっちりした格好はさせず、スポーツ用のパンツや肌触りの良いシャツをたくさん用意しました。また触覚過敏の子供は、そっと優しく触れられる方が苦手で、かえってがっしりと腕をつかむ方がストレスがかからないと読んだので、お風呂もそろそろとタオルをなでつけるのではなく、ごしごしと背中を洗いました。ぬるま湯でも熱いと泣かれたので、風邪をひかせてしまうかもと思いつつも、かなり冷たい水で足湯にし、上半身はタオルバスだけで乗り切った時期もありました。

そうして普段はなるべくストレスのかからないような生活を維持しながら、機会を見つけて自然とふれあうことのできる場所に連れて行きました。コンクリートの歩道が敷き詰められた都会のアパートで、フローリングの床に慣れていたのは、感覚統合機能の発達という視点から見ると必ずしも良いことではないように思えたのです。たまたま自然の豊かなところに引っ越したのをきっかけに、もう少し自然と仲良しになることで、色々な外界の刺激に対する恐怖感を和らげられるのではと思いました。
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いちご摘みに初めて連れて行ったときは、いちごや葉っぱを触ることはもちろん出来ず、畝の間を通り抜けることさえ出来ずに立ち往生しましたが、そんな時はさっさと抱きかかえて次の場所へ連れて行き、とにかく楽しい思い出がメインとして残るようにしました。
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ブルーベリーも、自分で摘むことは出来なかったけれど、バスケットを抱えてついてくるのは楽しかったようです。そんなことを繰り返して3度目の夏には、土埃の中を歩き回り、自分でブルーベリーを触って摘むことが出来るようになりました。

海水浴に連れて行った時も、最初は砂の上を歩くことができず、ずっと抱きかかえていました。それでもきれいな海の景色や、砂の中で見つけた貝殻などの楽しみを覚えてもらい、砂だけに意識が向かないようにしました。
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そうしているうち、これも3年目くらいに、ふと裸足で砂の上を歩き始め、砂遊びもするようになりました。まだ乾いた砂の所しか行けませんが、そのうち水のかかる所にも行くようになるだろうと思っています。
芝生や砂利道も、公園や庭園などに行って意識して歩かせるようにしました。最初はもちろん歩きたがらないので、抱っこして。そのうち「ちょっと手が疲れたから少しの間立っててね」と降ろし、またすぐ抱っこ。そんなことを繰り返すうち、だんだん大丈夫になってきたのです。
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今では落ち葉の敷き詰められた遊歩道も普通に歩き、きれいな落ち葉を見つけては拾っています。もう一見しただけではまるで普通の5歳の子です。よく見ると、ちょっと神経質だったり臆病に見えたりする行動をとりますが、明らかに何かがおかしいという風に見えることは、もうほとんどありません。それは遅れをとりながらも自分のペースで着実に成長してきているという喜ばしいことではありますが、反面、一見普通であるがために些細なことでつまづいたときに理解してもらいにくい、ただのわがままだと思われてしまいやすい、という点がいつまでも気がかりです。ここは学校に行き始めると特に注意しなければならない点で、先生の理解を得ることは学校生活をなるべくストレスのないものにするために、本当に重要なことだと感じています。


つづく。
今回は我が子の感覚統合失調症に向き合い、専門家からセラピーを受けながらも家庭で日常的に取り組んだ内容についてお話をさせていただきましたが、次回の記事では、私が子供の為に行った食事療法のお話をしたいと思います。
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Re: シェアさせて下さい。

コメントありがとうございました。お返事がおくれてすみませんでした。シェアありがとうございます。


> 貴重なお話をありがとうございます!感覚は共感しにくいところがあります。難しさだけでなく、具体的な取り組みも紹介して頂いており、とても参考になりました。シェアさせて下さい。
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Appolonia

Author:Appolonia
自らのアトピー体質がきっかけで化学物質と無縁の生活と自然治癒の生き方を志す。
アメリカに17年滞在後2011年、日本へ帰国。
オーガニックの先駆者が集まるサンフランシスコで暮らし、
そして、よりロハス的な生き方を求め、オレゴン州ポートランドに移住。
アメリカの真のロハス文化を日本に伝え、日本の伝統的な文化をアメリカに紹介するプロジェクトを計画し日々奮闘中。
2児の母親。最近のマイブームは休日のオーガニック&ベジタリアンレストラン巡り。

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