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発達障害のグレーゾーン: お家でできる9つの療育

2013.12.30 15:43|発達障害
今年も残すところあと少し。これが今年最後の記事になると思います。来年もいろいろな情報をアメリカから発信していけたらと考えております。

さて今回は発達障害のグレーゾーンの子供たちと家でできる療法についてお話してみたいと思います。

日本にいるお友達と発達障害の話をするとよくでてくる「グレーゾーン」。アメリカにはない言葉なのでちょっと調べてみました。日本では診断の段階で、発達障害の症状には当てはまる部分があるにもかかわらず、診断基準には満たされなかったり、十分な情報がなかったり、矛盾する所見があるために、はっきりとした診断ができなかったときに用いらているようです。もちろんこういう子供たちはアメリカにもたくさんいて、私自身子供たちを日々診断をしていますが、アメリカでは精神医学における診断書DSMの診断基準に満たされない場合はこちらではグレーゾーンですね、とは言わずにただ診断をしません(情報が少なく診断できない場合などにはRule out (R/O)という言葉を使って診断するときもありますが)。たとえばADHDを診断する際に、少し症状が見られるけれど診断基準に満たされていないときは、症状などをメモしておいて次に診断する人にきちんとその情報が伝るようにしています。診断するほうも人間、しかも毎日一緒にいるわけではなく(もちろん子供の場合は親からのアンケートの結果や学校の先生からのリポートなども参考にしますが)そのときの印象で自分なりの判断で診断していくのが事実です。そのため診断に不満があればセカンドオピニオン(第二の意見)を求めたほうがいいと思います。


誰にも明らかに発達障害があると分かる子供に比べると、このグレーゾーンにいる子供たちへのまだまだサポートが少ないという日本。親としてはどうしたらいいか、どうやって自分の子供を健やかに育ててあげられるか、毎日試行錯誤だと思います。重度の障害がある子供たちと一緒に療育を受けさせるべきなのか、それとも健常者の中で普通に育ててあげていったほうが良いのだろうか?学校で特別な手当てを受けたほうが子供のためなのか、それとも普通に他の子と同じように通わせてあげたほうがいいのか?などなど。グレーゾーンの子供を抱える夫婦はお互いの意見・考え方の違いから関係に溝ができることもよくあるようです。


今回はグレーゾーンといわれる子供たちに親が家でどんなサポート・療育をしていったらいいか、いくつか挙げてみたいと思います。もちろん子供によって症状や度合いなどは違いますが、重度の発達障害でないとサポートを受けられにくい、どうやって育てていったらいいか不安などとの話をよく聞くので、そんな方たちの役に立てればいいなと思います。

まず親ができるサポートの話をする前にひとつ伝えたいことがあります。親が自分の子供の療育をしていく上でプロのカウンセラーやOT(作業療法士)との一番の違いは、感情がはいるということ。カウンセラーであればまったく感情的にならずに子供への期待もなく事実を受け止め客観的に物を見ることができるけれど、親はそれはできないという前提をきちんと理解することは大切です。それは悪いことではなくむしろ子供を愛している親にとっては当たり前のことなのだけど、その事実をきちんと理解しながら子供と向き合っていくということ。何度いっても同じことを繰り返してしまう子供に「何度も言っているでしょ、なんでわからないの」と親であればだれもがいったことがあると思うけれど、カウンセラーであればそうはこない。「この間話したの覚えているかな?もう一度やってみようね。」となるでしょう。カウンセラーとしてではなく、親として療育に取り込むということをまずはそれをわかっていなくてはいけません。「ここまではできるようになってほしい」という気持ちが「他の子ができているのでうちの子もできて当たり前」という気持ちに変わっていく前に自分をチェックしてください。希望(Hope)と期待(Expectation)は違うということを理解した受け取り組んでいければいいですね。

love life 6


それでは発達障害グレーゾーンといわれる子供たちに家でどんなサポートをしていったらいいのでしょうか?ここではお家でできる9つのサポートについて箇条書きで挙げていきたいと思います。

1.感覚統合
こちらは前に詳しく記事を書いているのでもしよかったら読んでみてください。まずは子供の感覚を知るということ。発達障害の子供の感覚の統合度の低さは明らかです。子供の感覚を知った上でその子にふさわしい感覚統合を家で取り入れてみてください。遊び感覚でできる感覚統合ツールもたくさんあります。そして子供がいる環境にも目を向けてみてください。集中して宿題ができず結局部屋で遊んでいる、なんていうときは何度も同じ注意することより、子供の部屋にたくさんあるおもちゃを片付けたり、あまり物が周りにないダイニングテーブルで宿題をさせたりしてみると案外集中してさっさと終わらせてしまうかもしれません。

2.生活習慣
早寝早起きの規則的な生活と運動。グレーゾーンでなくても規則的な生活と体を動かすことは子供にとってとっても大切なこと。そして運動することによって「幸せホルモン」とも呼ばれるセニトロンを増やすことができます。毎日の起床時間を決め、週末でもなるべく規則正しい生活を心がけましょう。

3.食事管理
自閉症の子供たちの食事療法はここ5年ほどアメリカではかなりホットなトピックです。グルテンフリー(グルテンを抜く食事療法)の食事が効果があるといわれ私が働く学校のランチも特別メニューの子供たちが数多くいます。Love Lifeのメンバーが11月に行ったカンフェレンスでは食事療法の食事療法やサプリメントの最新情報の講義もあったようなので、またこちらで情報を提供していけたらと思っています。ここまで制限する食事療法は小さい子供には大変な場合もあるのですが、子供の食べるものに気をつけるのは大切なことです。まずはこの3つから考えてみてください。①甘いものを控える、②着色料をつかった食べ物をさける、③保存料を入っている食べ物を控える。

4. しつけ
発達障害の子供のしつけというとまず浮かぶのが自閉症の子供を対象としたABA(応用行動分析)。アメリカでも昔から広く使われている療法ですがこれ自体は特に難しいことではなく、生活に取り入れやすものです。ただ私個人の意見としてはABAは自閉症に対しての一部の療法であること、しつけたり物事を教えたりするには効果的ではあるけれど、ABAのことばかり考えて子供と向き合っていると一番大切なRelationshipの部分を忘れてしまっているケースもよくみられます。みんなと同じことができるようにしつけるのも大切ではあるけれど、その子供がなぜ人とは別のことがやりたいか、なぜそこまでそれにこだわるかなどということを分かってあげること、一緒にそこで立ち止まってあげることも親としてとても大切だと思うのです。そのためここではしつけ・学習の方法としてだけ挙げさせていただきます。それではどうやってABAをしつけや学習にとりいれるのでしょうか。例えば子供のおむつを取ろうとするとき。ちゃんとトイレを使うことをできたたびにM&Mを与える。子供が正しいことをしたときにReward(ご褒美)を与える(Positive Reinforcement)、という仕組みです。逆にお店で欲しいものがあると癇癪を起こす子供に黙らせるために物をあたえてしまうこと(Negative Reinforcement)はしてはいけません。教えたい行動ができたときにご褒美(物であっても言葉であっても)を与えることで子供がその行動をもう一度くりかえすようになるのが目的です。大切なことはご褒美はすぐ与えること、そして毎回与えることです。

5. Transition
発達障害の子供たちの多くがひとつの行動から次の行動への移動が苦手です。特に楽しんでいることをやめて次のものに移る(ある意味頭の切り替えですね)のに他の子供に比べて時間がかかるの普通です。例えば、テレビ番組を一つ見終わって消したら癇癪を起こすなど。アメリカではこれをTransitionというのですが、学校に行く年になっても休み時間に遊具で遊んでいた子供がみんなが教室に戻っても嫌がって戻ることを拒んだり、戻ってもその後癇癪を起こしてしまったり次への切り替えが上手にできなかったりする子もいます。親としては一日を通してこのTransitionが大変なところ(テレビを消したあと、おもちゃを片付けるとき、お友達のうちから帰るとき、公園から帰宅するとき、お昼寝をするとき、お風呂にはいるときなど)を把握していると思うのでまずはWarning(警告)を15分前から始めてみてください。10分、5分、そして「あと1分よ~」と。タイマーなどを使ってもいいと思います。それでも大変なTransitionは毎日の決まりごとを作ってみるのも効果的です。例えば1分前になったらテレビのリモコンを子供の前に置いて、時間がきたら子供がテレビを消していつもリモコンを置いてある籠に入れる、というう役目を与えて毎日それを繰り返すなど。それでも難しいときはしつけでもでてきたABAのPositive Reinforcementを使って、おもちゃをきれいに片付けたら冷蔵庫に張ってある表にひとつシールをはってあげるなどというのも効果的だと思います。

6. Visual (視覚)を使った学習
発達障害の子供たちは物事を学ぶ(頭の中に情報が入ってくる)方法が普通の子供たちとは異なっていることがよくあります。聴覚より視覚が鋭い子供が多く、耳から聞くより絵や写真を見て学ぶ方が情報が入りやすいのが事実です。これはグレーゾーンの子供たちも同じです。アメリカの小学校はどこも教室に広く、一日のスケジュールが貼られているのが普通ですが、家でも子供が見えるところにスケジュール(特に朝と夜の日課)があると子供は安心します。字がまだ読めないうちは絵や写真を使ってのスケジュール、そしてそれを一緒に毎日チェックしてあげるといいと思います。新しく物事を教えるときにも一緒に絵や写真があるとよく頭にはいっていくので心がけてみるといいと思います。例えばご飯のときにどうやって椅子にきちんと座るかというのを教えるときに「足ちゃんとして」「猫背になってるよ」などではなくきちんと座った写真をみせて「こう座ってごらん」と学習させるなどが効果的でしょう。

7. ソーシャルスキル
発達障害の子供はソーシャルスキルがどうしても他の子供より遅れがちです。きちんと挨拶をしたり、年相応には人への対応ができてなかったりします。人の言葉やテレビのキャラクターを真似て同じことを繰り返すことはできても、その趣意を理解して人の行動から自然に学んでいくということが苦手です。ある意味「わが道を行く」タイプなのですが、社会のルールや常識を他の子供よりもきちんと教えていくというのも親の役目です。困るのは子供です。学校でのいじめや仲間外れもソーシャルスキルが欠ける子供に対して「なんだろ、あの子」というところから始まることもあります。そのうちできるようになるからまあいいか、ではなく、ソーシャルスキルはきちんと小さいうちから根気よく教えていくことです。挨拶やテーブルマナー、人との簡単な会話など上手にできていないことを注意するのではなく、ここではスキルを教えていくことが大切なのです。分かっていて当たり前、できていないので注意するという態度から、できていないのはまだ学んでいないから、教えてあげようというふうに変えていけたらいいですね。ソーシャルスキルを教える方法としては絵本やテレビ番組を使っても効果的です。子供本人のできないことを話すのではなく、テレビのキャラクターがお友達に謝る話であれば、それを使って「こうやって謝ったらいいのね」「どうしてこのキャラクターは謝らなければならなかったのかな?」などと話をする機会をつくることが大切です。アメリカにはソーシャルスキルを教えるためのSocial Storyというタイプの絵本がありますが、日本の絵本でもそれぞれ「教え」「メッセージ」が入っている絵本があると思うのでそういうのを集めておいて、ちょうどいい状況があればその本を紹介してあげ、また何度もその本を復習していくというのも効果的です。少し大きい子向けですが、日本昔話には「欲をだすといいことがない」「約束を守らないとその仕打ちが自分に返ってくる」などの教えをとく本も沢山ありますよね。


8. 興味のある分野を伸ばしてあげる
こだわりがあったり、興味が偏っているとそれが弱点のように言われる発達障害の気がある子供たち。親としてはどうして他の子供みたいにいかないんだろう、と思うことはあると思いますが、そのこだわりや強い興味があるものを大切にしてあげることもまた大事だことだと思います。好きなことを上手にできること、誰よりも詳しいことが、その子の自信につながっていきます、短所ではなく長所、としてとらえてあげたらいいのではないでしょうか。


9. 子供の視野の中に入っていく
最後に一番大切なことは、親がどうやってその子供の世界に入っていくことができるかということ。外から「こっちのほうがいい」「あっちもやったほうがいい」ではなく、その子供が見えているものを見えている場所から一緒に眺めてみることの大切さを忘れないでください。外から見たり話しかけているだけでは、子供にはあまりインパクトがないし一緒の景色が見えません。色々なことを教えたいと思っていても、子供が聞いていないのであれば意味がないのだから。子供がどう思っているのかわからなかったら、まずは聞いてみること。どうしてそんな行動をとったのか、なにを考えていたのか、「こうすればよかったでしょ」ではなく。質問はなるべく「はい・いいえ」で答えるものではなく、What, Where, Why, When, Who and How(何が、どこで、いつ、誰が、どのように)から始まるもので。

これらのサポートはひとつの療法ではなくホリスティック(全体的な)なアプローチです。日々カウンセラーとして発達障害をもつ子供、その他の精神的な病気を抱える子供、恵まれない家庭環境で育った子供たちと向き合っていく中で実際に使っている・指導しているものばかりです。一つずつもう少し深く掘り下げて話をしてみたいなと思うトピックばかりなので、また来年機会があったら書いてみたいと思っています。

今年一年Love Life styleを見守ってくださったみなさまありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

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Appolonia

Author:Appolonia
自らのアトピー体質がきっかけで化学物質と無縁の生活と自然治癒の生き方を志す。
アメリカに17年滞在後2011年、日本へ帰国。
オーガニックの先駆者が集まるサンフランシスコで暮らし、
そして、よりロハス的な生き方を求め、オレゴン州ポートランドに移住。
アメリカの真のロハス文化を日本に伝え、日本の伝統的な文化をアメリカに紹介するプロジェクトを計画し日々奮闘中。
2児の母親。最近のマイブームは休日のオーガニック&ベジタリアンレストラン巡り。

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