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2013.12.09 07:08|子供の問題
発達障害やその他の問題を持つ子供たちの親のカウンセリングをしていてよく目の当たりにするのは、夫婦間の子供の問題に対する温度差です。

たとえば言葉は他の子よりもすこし遅い子供をとても心配している母親。自分でいろいろなリサーチをしてその中で学んだ「Early Intervention」(早めに対策することが大切)という言葉をとても真摯に受け止めサポートをもとめてる彼女に比べ、「それぞれ発達が違って当たり前、そのうちしゃべれるようになるよ。」、と楽天的な夫。ふたりとも自分の子供のことをとても大事にしていて子供の幸せを願っているという点は外から見れば絶対なのに、この温度差の違いが二人の間に溝を生み、最終的にはお互いの子供への愛さえも疑うような発言をするまでになってしまうケースもあります。


ファミリーカウンセリングをしていく中でのこのような場合の対応をステップにしてみたので、もし似たようなことで悩んでいるのであれば、このステップが少しでもヒントになればと思います。

ステップ1. 子供への心配をまずそれぞれリストにしてみる。上の例を使ってみると、母親の心配は「言葉の発達がおくれているのではないか?同じくらいの他の子に比べできることが少ないのではないか?」父親の心配は「とくになし」。


ステップ2. お互いの(この例の場合は母親の)心配に対してお互いがどう感じているかを聞きあう。これはどういう対処をしたいか?ということではなくただどう感じているか?ということです。父親は母親の心配を毎日のように聞いているけれども、どう対処できるかなど自分もわからないことが多く、どういっていいかもわからなくなり結局「そんなことはないよ。そこまで心配しなくてもいいじゃないかな。」という対応になってしまうことがあるのではないでしょうか?母親は心配しているのを共感してもらいたいのに、「心配しなくてもいい」といわれてしまうと否定されているように思ってしまうケースが多いようです。このステージではただお互いの心配事を聞きあい、それに同情する気持ちをみせることが大切です。


ステップ3. 対応策を一緒に考える。お互いの心配事をシェアしたあと、初めてプランを考えるところにきます。その心配事に対してどんな対応策があるのかを個人でしらてべみたあとここで相手に伝えます。今の時点でなにか行動に移すべきか、それではなにをしたらいいのか、ということをきちんと時間をとって話し合うこと。ステップ2からそのまま進まず、一週間後などに時間を取ることをお薦めします。夫婦の片方は今すぐにでも話し合いたい、と思っていることもあるかもしれませんが、ステップ2から時間を取ることはとても大切です。もしここで、対応策についてお互いの意見が違っていたらそれはそれでいいのです。夫婦であっても、二人とも子供を大切に思っていても、別の脳を持つ別の人間なのだから意見が違ってあたりまえです。ここで違ったときにお互いを責めるような言葉をいってしまうと夫婦間の信頼関係にひびがはいってしまって今後このことについて冷静な気持ちで話すことが難しくなってしまいます。英語では「Agree to disagree」という言葉がありますがお互いの意見が違っているということにお互いが賛成できるような話し合いができるといいですよね。


ステップ4. さてここまで穏やかにくることができたなら、対策を決めましょう。上であげた例に戻してみると、母親はいろいろ調べた結果、「言語治療士とアポイントメントを取ってみたい」といいます。心配していない父親はここまで母親の心配する気持ちを聞いてきて、対応策を考えたときには今は「様子を見たらいいのではないか」という意見でした。ここで「自分は賛成していないけど勝手にやったら」ではなく「自分は必要ないと思うけど、それなら言語治療士に一度あってみようか」ということを決めることができたらいいですよね。もしここでどうしてもお互いの意見が合わずに結局そのままなにも行動にうつさずにいることになるケースもあると思います。かたほうがそれでは納得していなかったら、もう一度ステップ2に戻ってみてください。


ステップ5. さて行動に移して言語治療士に会ってきました。専門家の意見は「言語療法をお勧めします」ということで療法を始めてみたのですが、ここでまた温度差がでる場合もあります。母親は言語治療士から薦められたことを家でいろいろやってみているのですが、父親はまったくそれには参加せず今まで通り。そういう場合はまたステップ2に戻ります。ここでもう一度言っておきたいことはステップ2は相手にどうしてほしいか、何を要求しているかということを話すところではありません。ただ自分がどう感じているか、どう思っているかを相手に伝えるだけです。そのため会話の主語はすべて「わたし」になっているように気をつけてください。ここで逆に話を聞く側は、相手の気持ちを受けとめてあげるだけで、「でも」「それは」という言葉は使わないように心がけてください。相手から聞いてくれているなぁと思われるには、相手の心配を繰り返してあげたり、話をまとめてもう一度いってあげたりするのがいいと思います

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夫婦が物事を違うようにとらえるのは当たり前のこと。ある意味ひとりで思い込みつっぱしるより、パートナーの意見を聞いてたり、話をあってみたりして、より適切な決断ができることのほうが現実です。「どうせわかりっこないのだから」とか「話しても無駄だし」などとはじめからあきらめずにとりあえず人生一番の味方と向き合ってみませんか?
2013.12.09 06:54|発達障害
アメリカではだれでも知っているADHD。日本では最近発達障害の認識もかなり浸透してきて、注意欠陥・多動性障害という言葉も少しずつ認知されてきているようです。ただこのADHD、かなりの誤診が多いのも確かで、すこし落ち着きがなかったり他の子より幼かったりすると「うちの子供もADHDじゃないかしら?」という心配する親も多数いるようです。アメリカでは3歳から17歳の男の子の12%(10人にひとり以上ですね)がADHDの診断を受けているという統計もでています。

それではどんな子供がほんとにADHDなのでしょうか?ADHDと診断する上で3つのキーポイントがあります。まずは「不注意」(Attention deficit)あること。集中力が続かない、気が散りやすい、同じ注意を何度もされたり、書く字がとってもいいかげんだったり、忘れっぽいというのもこの中にはいります。

そして「多動性」( Hyperactive)であること。これはじっとしていることが苦手、机に座っても手や足などがそわそわ動いていたり、落ち着きがないということです。ADHDのHはこの多動性(Hyperactive)からくるため、この症状はなく「不注意」と「衝動的」がひどく問題な子供はADDという診断がくだされます。小さいうちは男のほうが断然多くADHDの診断を受けるのはこの多動性にあると思います。私自身もとても「多動性」な息子がいますが、どうしていつもこんなに元気にいられるのかしら、とあきれるほどいつもエネルギーいっぱいです。

そして「衝動的」( Impulsive)、これは思いついたまま行動に移してしまったりすることをいいます。まだまだ謎の多い脳の機能ですが、人間の衝撃性をコントロールする前頭葉(Frontal Lobe)は20代後半になってやっと出来上がるということも最近わかってきました。そうなると子供たちが後々のことまで考えずに衝撃的に行動に移ってしまうのは仕方のないことだったりもするのです。

ただこの3つがあてはまらない子供っているでしょうか?子供のADHDを診断する上で頭の隅においておいてほしいことは、子供はふつう不注意で、他動性で衝動的なものであるということ。「うちの子供もADHDじゃないかしら?」とたくさんの親が思うのはそのためです。

実際にADHDの子供はこのような症状が学校と家と両方でみられ、そのため学校の成績や生活態度にひびいていくのが現実です。アメリカでは6歳から12歳の子供の20人に一人はAHDHの薬を飲んでいるという統計も出ています。こんなに小さいうちから薬を飲むのは、学校で問題なくすごせるように、授業中に集中できるようにという親の希望が一番の理由だと思います。ただ現実として一番多く処方されている子供用のADHDの薬のほとんどには覚せい剤とおなじ成分が入っているという事実もきちんと理解してから、そういう選択をしていくのが大切だと思います。

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それでは薬を選択しない子供にはどんな療法がいいのでしょうか?

一番効果的な療法は運動といわれています。ヨガ、空手、太極拳がなかでも特に効果的だといわれてます。

そして毎日規則正しい生活をすること。休日でもある程度のスケジュールがあったり、家の決まりがしっかりしていたり、次にやることをちゃんと子供が認識していたりすることです。週末だからといってすごく遅くまで起きていたり、お昼近くまで寝ているというのは、子供にとっては大人が思うよりバランスが崩れるものです。

それから繰り返し物事を教えるということはADHDの子供と接している上でとても重要なことです。ADHDの子供たちは普通の子供たちの2倍、3倍同じことを繰り返していわなければ学びません。「何度もいっているでしょ?」「なんでわからないの?」ではなく、最初から繰り返し何度も同じことを教える必要がある、とわかっていて接してください。例えば学校にある「廊下を走らない」というルールも、何回聞いていてもその場になるとすっかり忘れて走ってしまうのがADHDの子供たちです。

しつけもとても大切な療法です。「発達障害があるからうちの子供にはあまり厳しくしつけても・・・」と思っているのであれば、間違いです。しつけをしっかりすることで子供たちは安心感を覚え、きちんと根をはっていくのです。親としては気分で罰を与えるのではなく、いつでも同じルールでいることが大切です。罰を与える場合は(例えばおもちゃを投げたらそのおもちゃを取り上げるとか、ゲームをやめるようにいったのにいつまでも遊んでいたらその次の日はゲームで遊べないとか)その行動とまったく関係のない罰(例えばおもちゃを投げたり、ゲームをやりすぎたことに対して、罰としておやつを抜くなど)を与えるよりなるべくその行動の結果が直接関係したものにすることで、子供は次に同じ行動をとるときに罰について考えることができます。

ADHDの子供が心理カウンセリングにいく場合は、アメリカでは一般的に広く使われている認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy)が薦められています。この認知行動療法についてはまたの機会にお話したいと思っています。他にも新しい療法がいろいろ出てきていているので、またすこしずづ紹介していきたいです。

ADHDは生涯持ち続ける発達障害といわれています。リサーチでは50%以上の子供たちがそのまま大人になっても同じ症状に苦しんでいるという結果が出ています。それでも薬やいろいろな心理療法でその症状を減らし、暮らしやすくすることは可能だというのが現実です。もし「うちの子もADHDじゃないかしら?」と思ったら、まずは子供が毎日なにかしらの運動できるような環境を作ってあげることからはじめるのはどうでしょうか?
2013.12.05 11:45|健康
レモン・デトックス〜毎朝の日課にレモンをとりいれて健康維持!

くて家にこもることが多くなるこの季節。運動不足になったり、風邪をひいたり、外食が続いたり、と不健康な生活に陥りやすいのもこの時期の特徴です。今回はそんな時期におすすめ、レモンで体をデトックス(浄化)する健康法のご紹介です。


レモン・デトックスと言えば、ビヨンセをはじめとするハリウッドのスター達が減量に成功していることでおなじみの人が多いのではないでしょうか。

レモン・デトックスとは

もとはStanley Burroughsという人が40年代に提唱し、70年代に本を書いて広まった一種の「断食」方法で、絞りたてのレモン汁にメープルシロップ(またはハチミツ)とカイエン・ペッパーを混ぜ、それを水で割ったものをひたすら飲み続けるというものです。材料が簡単で、誰でも手軽に家で簡単にできると言われていますが、厳密には他に食べ物を一切体に入れない「断食」なので、この方法でダイエットをするときには色々と注意点があります。

けれども、レモン・デトックスは単に減量のためのものではありません。「デトックス」と言われている通り、レモンを体に取り入れることによって体が「浄化」されるのです。体にとって良くない、余分な老廃物が外に出されることで、結果的に減量にもつながったわけですが、もともとは潰瘍の治療に使われた方法であり、ダイエットを目的としない人たちにも大変おすすめできる健康法なのです。そして、普通に健康な人なら必ずしも「断食」というフォーマットにする必要はないのです。

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レモンの浄化作用

なぜレモンで「デトックス」できるのかというと、レモンに含まれているクエン酸が、肝臓の働きを活発にし、体の浄化作用を促進してくれるからです。現代は、栄養の偏った食事、運動不足、仕事や対人関係のストレスなど、体に悪いものがたまっていく環境にありますね。それがさまざまな病気のもとにもなっていきます。レモンで体を定期的に浄化することで、そういったリスクを抑え、健康的な毎日を送ることができるのです。

レモンの効用

肝臓の働きを促進して老廃物を外に出すほかにも、レモンにはこんな効用があると言われています。
・消化を助ける働きをするので、胸焼けや膨満感など消化不良の症状を緩和します。
・殺菌、防腐作用があり、ビタミンCが豊富なので、皮膚を内側からきれいにし、しわやしみなどにも効果があります。
・抗菌作用があるので、のどの感染症の治癒を促進します。
・血管をやわらかくするので、血圧を下げる効果があり、高血圧の症状を和らげます。

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毎朝のレモン水でデトックス

実はこれらの効用は、いわゆる「レモン・デトックス」で「断食」をしなくても、毎朝コップ一杯の水にレモン汁を絞り入れて飲むだけで、効果が得られるものなのです。朝起きたら、まず一番にレモン水を飲むことで、体が活性化され、すっきりした気持ちで一日を始めることができます

レモンの酸っぱい味が苦手という人は、レモン汁のかわりにレモンオイルを水に一滴加えるのでも良いでしょう。レモンの香りはしますが、酸っぱい味にはなりません。

毎日の健康のために、まずは朝一番のレモン水からはじめてみませんか?

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<ご参考までに>

自宅で簡単にできるレモン・デトックスの作り方:
絞りたてのレモン汁・・・大さじ2
良質のメープルシロップ・・・大さじ2
カイエン・ペッパー・・・小さじ10分の1、またはお好みの量
これを水またはぬるま湯で割ります。

2013.12.01 06:39|子供の問題
人間の脳はまだまだ解らない事だらけで、とても神秘的です。それでも年々少しずつ色々な事が解ってきたこともあるのでとても興味深い分野です。オレゴン州認定心理カウンセラーのChifumiが前回の感覚統合の記事に続き紹介したいと思います。

今回は2011年にアメリカで評判になった本「The Whole-Brain Child」(邦題は「幸せ育児の脳科学」)について少しお話をしたいと思います。アメリカの学校では先生達もこの本から学んでいる方が多く、去年私の働く学校の先生達ともこの本について色々と意見を述べ合いました。

この本には親が子供を育てていくなかでのヒントになる12の戦略が紹介されています。この12の戦略は全て脳の働きを考慮に入れた上でのアプローチです。前回は感覚統合についてお話をしましたが、今回のテーマは脳の統合についてです。


右脳と左脳について

既に知っている人も多いと思いますが右脳は「五感を操る動物的な脳」といわれています。知性、感情はこちらに入ります。前回のテーマ感覚統合もこちらの脳で反応しているものですね。そして左脳は思考や倫理を司る「人間的な脳」といわれます。それではこれをどう考慮にいれて子育てしていったらいいのでしょう?

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例えばお友達の家で遊んで帰る時間になるとイヤイヤと泣き出す子供。帰らないと泣いている子供にあやすように説明する親。「ほらもう5時よ。お家に帰ってご飯食べる時間だからまた遊びにこようね。」何度かやさしく説明するものに、いっこうに聞き分けない子供。結局は泣く子供を抱き上げて帰ってくる、なんて誰もが経験してますよね(もちろん、わたしも、笑)。
この例をとってみると、この子供は右脳モード全開中(帰るのが悲しくて感情的になっている)、逆に親は左脳モードいっぱい(一生懸命理由を説明しようとしている)という状態です。
この本で話している戦略とはまず、子供が感情的になっているときは親も右脳モードで対応するということ。そしてその後一緒に右脳から左脳へのわたっていって(ここが脳の統合)、理論的なことを説明するということ。

ではどうやって対応したらいいのでしょうか。ここでは英語でいう「Empathy」がポイント。これは「同情する・感情を共有する」ということ。泣いている子供に「そうだよね、帰りたくないよね。お友達と遊べて楽しかったものね。」という言葉から入ってあげる。そし落ち着いてきたら、左脳へ。「今日はもうご飯の時間だから帰らないとね」と。おちついて感情を共感してもらって、子供は初めて親の理論が聞こえてきます。

もちろんこれが毎回成功するというわけではありませんが、感情的になった子供に一生懸命理論を説明してもまったく伝わっていない、というのは知っているといいことですよね。わたしは右脳から左脳に移ったつもりでも息子はまだ右脳モードだったなんてこともあり、もどってきてまた一緒に右脳モードに、なんてこともよくありました。これはわたしがせっかちの性格だからですね、笑。

右脳、左脳の別の例ですが、この対応は大人でもいっしょだったりします。悩みをお友達に話していてアドバイスをしてもらっているときは大丈夫だったのに、「大変だったね。つらかったでしょう。」と右脳的な反応がくるとポロッときてしまったことなどありませんか?大人も子供も感情的になっている人にはその感情を共感してあげることが一番大切だったりするのです。最初にこれができてないとあとはなんにも入ってこなかったりします。


上部脳と下部脳のついて

もうひとつの上部脳と下部脳についてのおはなし。右脳、左脳を脳の横の統合なら、こちらは脳の縦の統合ですね。本能やサバイバル機能を司る下部脳、行動の熟慮をうながす上部脳。たとえば漠然とした不安、いかりや恐怖は脳の下部に埋もれている「暗示的記憶」に起因するが、これを脳の上部で分析することによって「明示的記憶」に構成するといわれています。
例を挙げると、小さい子が交通事故を体験した場合。本人に怪我はなくてもパトカーが来て、助手席に乗っていた母親の頭から血が出ていて、つぶれた車を目撃してと、とても怖いという気持ちになった記憶がのこる。もしこの子供がすでに言葉が話せる年齢であれば、この経験の話をするということは重要です。「パトカーの音がすっごい大きくてね」「ママが痛い、痛いしてね」と話す子供に大人は「パトカーは助けに来てくれたのね」「ママは病院で手当をしてもらったからもう大丈夫だよね」と怖い経験ということだけが残らないに事実をうめていってあげる、これが脳の縦の統合です。

過去にトラウマをもつ患者のカウンセリングは、実はここのところが大切なのです。もしも自分の子供が大きな不安、いかりや恐怖の体験をしたとしたら(東日本大震災の被災者もそうですね)、きちんと親が体験談をきいてあげる、そして事実をうめていってあげる、つまり暗示的記憶のまま残さない、というのは大切だと思います。

私自身翻訳されたバージョンを読んだことはないのですが、このほかにもいろいろな子育てのヒントが隠されているこちらの本、もし興味があったら読んでみてください。

次回はアメリカでは10人に一人以上の子供が診断されるというADHD(注意欠陥多動性障害)についての記事をお送りしたいと思います。
2013.11.05 18:41|発達障害
発達障害の中でも感覚統合失調症は診断がつきにくく、「ちょっと変わった普通の子供」との境がとても微妙な分野です。でも、早めに気づいて適当なサポートを得ることで、家族の生活がぐっと楽になり、子供との関わり方も改善されます。

前回は作業療法士とのセラピーの様子や本で読んだことをもとに、触覚過敏な子供への接し方、生活の中で気をつけてきたこと、目指してきたことを体験記としてまとめました。今回はその続きで、日常生活の中でもとても重要な、そしてセラピーをするそもそものきっかけであった、食事についてのお話です。

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食事療法の方は、セラピーをするにあたり、咀嚼に問題があるようだと言われていました。どうやって噛むのかが分かっていない、舌を口の中で動かして食べ物を移動させることができない、ということでした。さらに触覚過敏がここでも影響していて、口の中に固形物があるのを嫌がり、何か固い物が舌にあたるとパニックになってしまい、それを口から出すこともできずに大泣きし、最終的には私がスプーンなどですくい出してやっていました。

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言語療法士とのセラピーでは、まず口の中に色んな物を入れることに慣れることを目標にNukという特殊な形をしたスプーンのようなものに好きなベビーフードをつけて食べさせ、口の中でそのスプーンを上下左右に動かしてやり、口の中の筋肉が刺激を受けるようにしていました

実は私の子供にはこれが大変なストレスだったようで、セラピーの後はそれまで食べていたものでも食べないようになってしまいました。2ヶ月でセラピーをやめてしまったのも、これが大きな原因だったのですが、その後は遊びの中で、子供のほっぺたや口の周りの筋肉をむぎゅむぎゅと動かしてやり(これもそっと触るとストレスがかかるので、ちょっと乱暴なくらいしっかりと)、外側から刺激を与えるようにしたり、面白い顔を作って舌を出したりして、その真似をさせることで、顔の筋肉が動くのを自覚できるような機会を意識的に作ったりしました。ストローも筋肉の発達に良いと聞いたので、飲み物はなるべくストローを使って飲ませるようにもしました。

咀嚼の問題とは別に、新しい食べ物を試したがらないという問題もありました。
この、いわゆる「好き嫌い」というのも、発達障害、感覚統合失調症と関係していることがあります。

咀嚼がうまく行かないために離乳食が進まないのであれば、その筋肉を鍛えて整えてやることがまず必要です。ところが物理的に食べる機能に問題がなくても、たとえば食べ物の匂いをとてもきつく感じる子にとっては、その食べ物を口に入れるのはとても勇気のいることです。私の子供は触覚過敏であり、いったん口に入った物を舌を使って自分で出すこともできなかったので、得体の知れないものを口の中に入れるということはとても怖いことだったのです。
これについても色んな本を読んだ結果、Food Chainingという方法で食べられる物を増やす努力を始めました。

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これは、たとえばもし今食べられる物がパンだけなら、そのパンと何か共通点のある食べ物、例えばソースやチーズのついていないピザを次に試してみる。それが食べられるようになったら、今度はピザにチーズを乗せて試してみる。次はソースを入れて、もしくはチーズトーストにして、というように連鎖を続けることで、徐々にパンとはまったくかけ離れた食べ物を試すことができるようになるという方法です。

そのとき私の子供が食べていたのは、ベビーフートの他にはアップルソースとヨーグルト、小さく切ったバナナ、これも細かく刻んだうどん、そしてたった一種類のクラッカー(噛まなくても口の中で溶ける赤ちゃん用)のみ。このクラッカーとヨーグルトからスタートし、バニラ味のヨーグルトが好きならバニラ味のクラッカーを試してみよう、から始まりました。

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最初はやはり安心できる食べ物以外の物は頑として受けつけず、ハンガーストライキまでして泣かれましたが、ついに新しいクラッカーを一つ食べてみたあとは、とんとん拍子に色んなクラッカーを試すことができるようになり、1ヶ月もすると、クラッカーと名のつく物なら何でも口に入れることができるようになっていました。

ここからチップスやパンも食べることができるようになり、パンケーキやワッフル、フレンチトースト、マフィンなども試すことができるようになりました。考えれば似たような材料のものばかりですが、この子にとっては一つ一つが「新しい食べ物」であり、見た目や味が少しずつ違う物をなるべく多く試していくことで、食べられる物が増えているという自信をつけさせることが大事なのです。

うどんは、ほぼ噛まずに飲み込んでいたものを、徐々に長さを増やして行き、しっかり噛む練習をさせました。ここから、何年もかかりましたが、冷やし中華やそうめん、スパゲッティを食べられるように連鎖させて行きました。

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ヨーグルトも色んな味を試し、そこからスムージー、アイスクリームと広げて行きました。
またベビーフードで大好きだった梨をバナナと同じように小さく切ることで、「バナナと同じ色、同じ形、同じ果物という種類」というつながりを作り、そこから他の果物にも連鎖していきました。これはすんなりとは行きませんでしたが、今年大きな進歩があり、今ではブルーベリー、いちご、ぶどう、プラム、アプリコット、桃、マンゴー、オレンジ、メロン、とほとんどの果物を食べることができます。

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ラズベリーやブラックベリーは、あのでこぼこした表面が苦手で、まだ口の中に入れることができないでいるようですが、これだけの種類の果物を制覇した(口の中に入れて、噛んで、飲み込むことができた)というのは、大きな自信につながっています。

触覚の過敏な子供にとっては、新しい物を食べたがらないというのは、ただの食わず嫌いなのではなく、食べ物を口に入れること自体がチャレンジなので、「とにかく食べて見なさい、おいしいかもしれないんだから」と言うだけでは解決になりません。
でも、「これは前に食べたあの食べ物と見た目が近いよね、食感はこういう感じだと思うよ」と説明することで、口に入れる勇気が出て来るのです。

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先ほど書いたいちご摘みやブルーベリー摘みも、触感セラピーであるとともに、その食べ物がどのように育っているのかを知ることで、そして実際に自分で摘んでみることで、口に入れることへの抵抗が少なくなることを期待していました。

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同じ理由で、キッチンにもなるべく入れてやって、まずは食べなくても良いので、野菜や果物を切るところ、料理をしているところを意識して見せるようにしています。

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そうしていくうちに、食べ物への興味がもっと湧いてきて、ただ見ているだけだったものを、手で触ってみることができるようになり、匂いをかいでみるようになり、舌の先でちょっと舐めてみるようになり、最終的には口の中に入れてみることができるようになります。もちろん食べてみた後で「好きじゃなかった」ということはありますが、それも毎回一口でも良いので食べ続けて行けば、いつかは好きになることもあるかもしれません。それは普通の子でも同じだと思います。ただその最初の一口にたどりつくまでに、時間をかけたプロセスが必要だったのです。

感覚統合失調症は、目に見えないハンディキャップです。でも目に見えるハンディキャップと同様に、何が障害となっていて、どうサポートすれば良いのかを知ることで、生活がぐっと楽になります。
それは親と子の心の健康のために、とても大切なことだと思うのです。また、目に見えないがために症状を理解してもらえずに、しつけのなっていない子、甘く無責任な親だと思われることも大変なストレスになるので、これについての知識と理解が社会に広まることを願って止みません。


そして、感覚統合失調症は、年齢や生活環境の変化に伴って良くなることも多くあります。何もしなくても改善することもありますが、適当なサポートをすることで、その成長をスピードアップさせることも可能ですし、成長の過程で子供のストレスを和らげることも可能だと思います。

障害の有る無しに関わらず、自分の子供を良く知り、その成長をできる形でサポートしてあげたいと思うのは自然な親の気持ちでしょう。感覚統合セラピーは、そんな親の手助けとなり、時に育児の道しるべともなる、とても有用なツールだと思います。
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プロフィール

Appolonia

Author:Appolonia
自らのアトピー体質がきっかけで化学物質と無縁の生活と自然治癒の生き方を志す。
アメリカに17年滞在後2011年、日本へ帰国。
オーガニックの先駆者が集まるサンフランシスコで暮らし、
そして、よりロハス的な生き方を求め、オレゴン州ポートランドに移住。
アメリカの真のロハス文化を日本に伝え、日本の伝統的な文化をアメリカに紹介するプロジェクトを計画し日々奮闘中。
2児の母親。最近のマイブームは休日のオーガニック&ベジタリアンレストラン巡り。

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